あいしてる


「なんか、頼りないなぁ…。あんた、大丈夫?ほんとにあたしと…やっていけんの?」

彼から身体を離してそう言うと、しかめっ面をしてみせた。

フッとやわらかな表情をした彼が、

「長続きさせようと思ったら、多少の努力は必要だろ。どんな恋愛でも、な」

再びあたしを抱き寄せる。

「そんなもんかな…」

「そんなもんだろ」


あたしは彼に身体をあずけると、そっと目を閉じた。

規則正しく時を刻む彼の心臓の音と、打ち寄せては返す波の音が心地よかった。


彼を失わずにすんだ。


そのことばかりが頭の中を占めていたけど、

「…ちょっと待ってよ?あんたとあたし…付き合うってこと…よね?……なんか、やっぱり想像できない」

冷静に考えると、全く先が見えてこない。

「はぁっ!?」

自分の身体からあたしを剥がした彼は、すっとんきょうな声を出した。

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