あいしてる


「だって、想像できる?あんたとあたしが…手、繋いだり…その…。まぁ、いろいろよ。その、いろいろなことを想像できたり…する?」

あたしのその言葉に、切れ長な目を丸くした彼。

しばらく考えてからニヤリと笑うと、

「そりゃあ、できるさ。余裕だね」

と言ってゆっくりと顔を近づけてくる。

「ちょ、ちょっ…。ちょっとっ…」

左手で自分の口を覆い隠し、右手は彼の左頬を抑えて必死に抵抗する。

心臓はありえないほどの勢いでドキドキを繰り返し、身体中をものすごい勢いで血液が循環しはじめる。

あたしの必死な抵抗で横を向いていた彼が吹き出し、あたしの背中においていた手の力を緩めた。

「まぁ、急には無理だしな。先は長い。ゆっくりいこうぜ」

と言うと、クスクスと笑う。

「なんか余裕だね。ムカつくぐらいに…」

口をとがらせて夜の海を見つめていると、

「なんかねぇかなぁ…。おまえのスイッチが入るもん…」

あたしの横で、うーん…と唸る彼。

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