【BL】だから、なに?
「あれはね、ほら翔太が言ったでしょ?“兄弟でキスなんて有り得ない”って。」
「うん……」
「あれ、自分でも驚くぐらいショックだったんだよ。ごめんね、意地悪して」
優しく頭を撫でられた。
僕の大好きな感覚。
「俺も逃げてたんだよ、翔太から。でも、もういいよね?」
頭を撫でていた手が僕の頬を包み込んだ。
「我慢しなくていいよね?」
「僕、男だよ?」
「うん、知ってる。」
「きょ、兄弟だけど……」
「だから、なに?」
「いいのかな…?」
「いいんだよ。だって…」
兄ちゃんの唇が僕の唇に触れた。
優しい触れるだけのもの。
「だって好きでしょ?」
僕は何度も頷いた。
「翔太、顔真っ赤。」
「だって……」
「そんなんで最後まで保つの?」
「さっ……最後までするの?」
おずおずと聞くと、兄ちゃんはきょとんとした顔をした。
「したくないの?」
「したい、けど…。あんまり具体的には考えてなかったから………」
「俺はいつも考えてたよ。どうやって可愛がってあげようかって。」
なんか体から火が出そう…。
「翔太は俺に捕まってるだけでいいよ。」
「…ン…………」
深いキスが降ってきて、僕はその甘い感覚に
――堕ちていった。
――END――