【BL】だから、なに?



「包装が苦手なら店の人に頼めばよかったんじゃないか?」
「……いや、何かこの方が気持ちこもるかと思って。」



翔太らしい発想だな。


にしても…



「翔太が気持ち込めてプレゼントするとか、ちょっと妬けるね。」
「え、いや……」
「そんなに大切な人に贈るものなの?」
「まぁ………」
「へぇ。誰かな?父さん?母さん?違うよね?」



まぁ、父さんでも母さんでも気に食わないんだけどさ。



翔太の一番は俺じゃなきゃダメなんだ。



「ねぇ、俺の知ってる人?」



翔太の手を引き、身体を抱き寄せる。



「教えてよ。俺に秘密を作ったらどうなるか、さっき身を持って知ったろ?」
「兄ちゃ……ちょっと、落ち着いて」
「無理。だって見た目以上に苛立ってるから。ほら、教えて。」



瞳を覗けば、翔太は目を逸らす。



「―――………」
「……?翔太、もう一回」
「だっから!兄ちゃんの誕生日プレゼント!!もう、せっかくビックリさせようと思ってたのに……」



いたずらが失敗した子供のような目で俺を睨む。



「ご、ごめん…」



俺は思わず謝った。



「兄ちゃんは、少し意地悪すぎ。」
「…仕方ないだろう。」
「どうして?」
「だって好きなんだ。どんなことでも知りたいし、些細なことで嫉妬する。俺、心狭くなったかも……呆れる?」
「もう呆れてる。でも……好き。」



俺の弟は、世界一可愛い。




【番外編・だって好きなんだ。end】



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