Realtime:kiss
「言えないような理由?」


さっきまで悶えていた奈津紀が話に入ってきた。

「……これこそ、オフレコだからね?あたしも詳しくは知らないんだけど、何人かリストラするみたい。」


「「ええぇぇええ⁈」」

「ちょっと!声が大きいって!」


だって、だって……


「上層部しか知らない事なのよ。
あたしもまたまた聞いちゃってさぁ、親は別の方法を模索した方がって、言ってたけど…
こればっかりは、ねぇ?」


でも、その問題は取り越し苦労に終わり、胸をなで下ろした。


ただ、正社員、契約社員、パート、アルバイトと、全ての従業員から勤務先が変わり、通うことの出来ない人達、つまりは、希望退職者を募り、各々に規約で決められた、退職金や、寸志が支給された。







そして、2月の最初の月曜日、第一陣の引っ越しが始まった。





第一陣の中には陽子の所属する秘書課も含まれていた。












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