Realtime:kiss
小料理屋を営む叔母、五月を頼り、京都に移り住み幸せに暮らしていた碕岡一家。



小学2年の時、母親が病気で他界し、その後を追うように、父親も交通事故で亡くなった。



その後、五月に育てられたが、中学に入学する前、あのお爺さんと呼ばれていた男性が現れ、嫌がる碕岡蒼佑を無理矢理引き取った。


彼を心配した五月も上京し、あの爺様が経営する、料亭の女将に落ち着いた。


不幸じゃないと、言い切っていた碕岡蒼佑、ホントにそうなの?


もしかしたら、そうではないのかも知れない。


何故だか分からないけど、ふとそんな風に思えた。


別れる間際の彼の表情が頭から離れない。




私、気にしてる、


あんなどうしようもない俺様の男・・・


分からない。


でも、同情もしていない。



もう、考えるのはよそう、明日は陽子と久しぶりに二人で会う。



そして明後日は仕事納め、残りの請求書のチェックがある。


あんな奴の事は、考えないでおこう。


私は目を固く閉じ、深い眠りに落ちていった。














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