Realtime:kiss

抱きしめる腕に知らず知らず、力がこもる。


碕岡蒼佑は少し動いて体制を変え、私を彼の足の間に収めると、少し身体を離し、私をじっと見つめた。


「俺はお前を・・・」


それだけ言うと、私の唇に彼のそれをソッと重ねてきた。


私は逃げなかった。


むしろ、もっと激しく触れ合いたいと思っていた。


チュッとリップノイズを残しながら離れていく蒼佑の唇を、私は自ら追い掛けた。


「おぃ・・・」


少し驚いたようだが、蒼佑はそんな私に応えてくれた。深く深く・・・




「お前、やっぱ、変わってんな、普通こんな話聞いて、普通引くよな・・・」





事の顛末を聞き終え、私達は部屋を出て、五月さんを探していた。



「何?お前、俺に惚れたの?」


・・・って、惚れたのはあんたの方でしょう!!


と言いかけた時、五月さんが姿を現せた。


「話、終わったんやねぇ、あれ、嬢ちゃん、
顔が赤いけど、大丈夫ぇ?」



五月さんは私の顔を覗き込んでそう言った。



「!!!!!っ、だっ、大丈夫ですっ、エアコンが効きすぎてたのかなぁ、冷え上せたみたい」


「あらあら、大変やねぇ、ちょっと私の部屋で待っとって、蒼ちゃん、連れてったげて」


「クククッ、分かったよ」


右手を口に当て、笑いを堪えながら私の右手を引っ張り奥へと進む蒼佑。




こんにゃろぉおお





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