Realtime:kiss
私は何故、呼び方に拘るのか、分からない。

「なぁ、名前で呼べよ……でないと……お仕置き、だかんな」

遂に実力行使、ですか……

「お仕置き?なんで、そんな事で、お仕置きされなきゃなんないのよ」


私は少し前まで被っていたネコを完全に脱ぎ去った。


「…じゃあ、名前で呼べよ、簡単な事じゃねぇか…」

そりゃそうだけど、なんて言うか、呼びづらいって言うか……


「簡単な事だろうが。何?お前、そんな簡単な事も出来ねぇの」


はっ、腹立つぅうう!何なのよ、この男


「わっ、分かったわよ!
その代わり、あんたもあたしの事、お前って呼ばないでよ。それこそお仕置きなんだからぁあ」

「プッ……やっぱ奈緒は面白ぇわ、良いぜ?
お仕置き上等じゃねぇか、その代わり奈緒も、然りだかんな?」


そう言いながら左手の小指を私に向ける。






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