恋はスプリンクラーとともに
「あいつホントにマスオって名前?」

ベッドの中で天使様が聞いた。


「そうよ」


「じゃ、君はサザエさん?」


やだ、私ったら!

お互いの名前も知らないうちに愛し合っちゃたの?


「ありふれた名前よ。佐藤由香里っていうの」


「俺はもっと平凡だよ。中島宏志(なかじま ひろし)だから」


私はぷっと吹き出した。


「何? 何か変?」


「あのね、カツオ君の親友に『中島君』っているでしょ?」


「えっ? まさか?」


まさか――ですよ




<終>




< 11 / 12 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop