涙恋~片思い恋愛〜
「何か、あったのか??」


涼太は、これから話されることを分かっているようだった。

だけど、それを口に出さず、ちゃんと聞いてくれる。


なんで、こんなあたしに優しくしてくれるのー...?



「涼太、ごめんなさいっ!!」



あたしは、人がたくさんいるにもかかわらず、駅のど真ん中で涼太に話し始めた。


涼太は、驚いたような顔で、だけど、切なそうな笑顔だった。

苦しめて、ごめんなさいー...


「あたし、やっぱり、まだ拓真のことが忘れられないのー...

涼太のことを、好きって思った時もあったけど、拓真への好きが変わることはなかった。


こんな中途半端じゃいけないって、そう思う。

だから、本当にごめんなさいっ!!!」



涼太は、『拓真』という悲しみの恋に包まれたあたしを、救ってくれた。

忘れかけていたはずの笑顔を取り戻さしてくれた。
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