涙恋~片思い恋愛〜
キーンコンカンコンーー...

いつのまにか、4時間目の終了チャイムが鳴った。

美奈のことが好きになってから、時間が過ぎるのが早くなったような気がする。



「拓真、食堂行こうぜ。」


「おう。」


涼太と2人で、食堂まで歩いている時ーー...

美奈を見つけた。


美奈の眼もとは、赤くなって、まぶたがはれて、土偶のようだった。

マスクもしているみたいだった。



インフルエンザの流行は、終わったばかり。

昨日の様子じゃ、風邪もひいていないみたいだった。


なのに、どうして美奈はマスクを着けているんだ?



気がつくと、美奈の腕を引き止めていた。


「ちょっと、拓真。」


声も、枯れていてーー...

昨日、何かがあったというのがわかるのは、一目瞭然だった。
< 172 / 291 >

この作品をシェア

pagetop