涙恋~片思い恋愛〜
なんで、キスなんかしてしまったんだろう。

そんな公開する気持ちで唇を洗っていた。


昔の、穢れを知らないーー...

唇に戻したかった。


だけど、それは現実を消すって言うことでーー...

不可能なことだった。



「どうしたんだよ、これ。」


拓真は、あたしのこの唇に驚いているみたいだった。

驚かないはずがないよね、前はあんなにプルプルな唇だったんだから。


それなのに、今はカサカサでーー...

見苦しい、顔になっていた。



「別に、どうだっていいでしょ。」



本当はこんなことを言いたくなんかない。

だけど、あたしには、今、偽と言えども付き合っている彼氏がいる。

白鳥くんっていう男の子がいる。
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