涙恋~片思い恋愛〜
「はいはい、じゃあ本気出してくださいねー。
まずは男子からー!!」


体育の先生、やる気なさすぎ。
声に現れちゃってますよ。


立ちあがって、とび跳ねたりして、体のバランスを整える。


美奈に、いいところ見せなくちゃと思うと、
肩に力が入る。


「じゃ、20メートルシャトルランからねーー。」


先生がそう言って、音楽が鳴る。



100ぐらいまで来ると、みんないなくなって、
涼太と俺の、2人きりになった。



「涼太くん、頑張ってぇ~~!!」

「拓真くんもがんばってーー!!」



そんな声が、女子の方から聞こえる。


俺は、美奈の声援が聞きたいだけなのに。

そう思いながら走ってると、美奈の小さいけど、
はっきりとした声が聞こえたような気がした。



「拓真、頑張れ。」


もしかしたら、空耳なのかもしれない。

そんなこと、どうだっていいや。
あとで、美奈に聞けばいいんだから。
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