涙恋~片思い恋愛〜
あたしに気がないから、そんなに笑顔なの?
あたしのことをなんとも思ってないから、そんなにキラキラ輝いてるの?

拓真が、笑顔で手を振ってくれることは、嬉しいことであって、寂しいことなの。



ちょっとでも、拓真を見ていたくて。
拓真のことを、目に焼き付けておきたくて。

拓真のことを、さりげなく見てみた。


相変わらず、モテモテだな、拓真は。

そう思わずにはいられない光景だった。


女の子が、
拓真のことを気にかけている子たちが、

拓真に話しかけている。


だけど、拓真は、振り向くこともせず。誰かと話すこともなく。

ただ、ただ、前へ前へと進んでいた。


クール。
今の拓真には、この言葉がぴったりだ。


拓真にしゃべりかけてる女子がかわいそうだと思うけどー...
ほんの少しだけ、嬉しくなる。

だって、女の子の中で、あたしだけ、拓真としゃべれる存在だから。


こう思っちゃう私って、性格悪いのかな。



拓真を隠れながらに追っかけてると、

教室の前に着いてしまい、違うクラスの拓真とは本当に離れ離れだ。


そして、教室のドアを開ける。


「美奈、おはよ!!」


笑顔で、あたしに抱きついてくる人がいた。

その名は、村上桃香。

あたしの大親友で、また桃香も拓真のことが好きなんだ。
< 5 / 291 >

この作品をシェア

pagetop