涙恋~片思い恋愛〜
可愛げがない。
素直じゃなくて女っぽくない。

拓真に、あたしはそう思われているのかな。


好きな人に、性格も気にいってもらえないなんて。

この恋は、実るはずがない。




「ーー...って!!
 美奈、聞いてんのかよ!?」



考え事してると、拓真が話していたみたいだ。

ヤバい、聞いてないんだけどー...



「あはは、ゴメン、ゴメン。
 なんだっけ?」



冗談で謝りながら、前を見ると、もう学校に着いてしまった。


拓真と二人きりの時間はもう終わりが迫っている。

いつも、学校の前に着くと胸が苦しくなるんだ...



「いいや。またな、美奈!!」



拓真は、笑顔であたしに手を振りながら、いなくなる。
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