【完】あたしのとなりの不良くん



ピンポーン、と家の中にチャイムの音が響く。



「じゃ、行ってきます」



そう言うと、「行ってらっしゃーい」と、兄貴とお母さんが行ってくれた。

お父さんは、今日は仕事でいないから、お父さんの声はない。


サンダルを履いて、あたしは玄関を開けた。

ムワー、と生温かい空気が流れこんでくる。

あたしはそれが嫌で、顔をしかめた。



「ねえ…海里って、水着持ってきた?」


「あ?持ってきてねえぞ?」



よかった…。

目的は貝殻集めだもんね。


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