僕らは妖怪 ~妖怪編~
○僻み
◆真希Side◆
「いい?あんた、まじしゃべりかけないでよね?」
「蓮先輩に話しかけられてるからっていい気になんないでよね?ブス」
「あ、進真くんとも喋んないで!まじあんたといっしょに話してるとこみてると進真くんの格が下がるから」
「蓮先輩もいっしょよ」
そっか…あたしって進真たちの格を下げてたんだ…
一時間前、友達だと思ってた女子たちに言われたことを思い出す。
今日、本当はいつもなら友達だと思ってた人と帰るはずだったのに、弱いあたしは一人で帰るのが怖くて真羽を誘った。
「なんで人間をまもんなくちゃいけないの……」
自己紹介が足りなかったね。
あたし、妖怪なの、狐の。でも他の妖怪とはちがうの。
妬みや欲はいっぱいある。なんというか他の妖怪たちより性格が人間なの。
だからあたしは本物の妖怪ではなく半妖と呼ばれる妖怪で、毎月25日になると人間になり、力は全くなくなるの。
死にたいと思ったことは沢山ある。だから今も25日に死のうかなと思う自分がいる。
人間はすぐ壊れる生き物で、ただマンションの3階以上で飛び降りたら死んでしまう生き物で。
もうやだなぁ。
あと25日まで何日だろう?