僕らは妖怪 ~妖怪編~

◆真希Side◆


「はぁ………」


「まぁた、何か悩み事か?お前は妖怪のくせに苦労してるな」


「うっさい、てか妖怪じゃなくて半妖だし」



「半妖でも半分妖怪の血が流れてる」


でも半分人間の血が流れてるし……


「なんだ、また学校で何かあったのか?今日はやけに早く来よったが」


まぁ、潤が心配するのはわかる。


だって、いつも来てる時間よりはるかに早くきて、潤に抱きついちゃったからなぁ……


なんつっか、あたしにとってこいつとこの場所はすごく大切でどこよりも安心できるところだしな。


あいつには言わないけど。


「うん、あのね」


あたしは今日あったことを全部話した。


と、言っても早紀のことしかないんだけどね。




一通り話し終えて、スッキリした後、


「ほう、学校とは前から知ってたが高校とやらにはいるともっと自己中な奴が増えてくるのか」


「あ、でも水樹たちは自己中なんかじゃないよ!あたしのために言ってくれたことは嬉しかったし…」


そう、水樹と茉美はあたしのために早紀にガツンと言ってくれた。


その思いはすごく嬉しかった。


「あ、でも早紀を怪我させちゃった。」



カチンッ



急に潤から固まった音が聞こえた。


「ぬあぁぁにいぃぃぃ?!!!」


ちょっ!急におっきい声出さないでよ!!!耳いたいは!!!


「は?ひっかいたのか?狐火であぶったのか?尻尾でバンとやっちまったのか?!」


「いや、そこまでしてないよ…ただ風で窓をわってそのガラスの破片で…ね?」


いや、なんかすごく人間なんかにっ!!という妖怪の本能を出しちゃって…あはは…(苦笑)



「はあ、全く…以後きおつけるんだな」


「は~い…」


はぁ…早紀…明日来るのかな…?
< 92 / 146 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop