威鶴のmemory


納得するのに、時間がかかった。

『仲間になれ』と言ったわけじゃない。

売られた喧嘩にただひたすら勝って、いつの間にかグループになり、チームになった。

他人事のように見て来たが、実際それは俺を中心として成り立っている。



……なんだ、そうだったのか。

俺は今更ながらに知った。



「お前ら、俺のこと慕ってたのか」

「えぇ!?い、今さらっすか!?白蛇出来て何年経ってると……」

「そうだな、俺たちは仲間だったな」



初めてだった、自分が好かれていると自覚したのは。

好かれている、それは自信にも繋がった。

俺は、俺のままでもちゃんと、好かれている。

ちゃんと俺を見てくれている奴らがいる。



それだけで……満たされちまったじゃねーかよ。










でも、問題は家に帰ってから起きた。
< 59 / 111 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop