威鶴のmemory


その足で俺は、直接白蛇の溜まり場に向かった。

中央にある一人掛けソファーは、メンバー全員で金を集めてプレゼントされたもの。

今更ながらに、このソファーの意味を考えた。



これも、慕っているから、だろうか?

それとも、形だけか?



……チッ、イライラしてる時に考えたら、ヒネくれた考えになる。

考えを放棄した。



「トーマさん……?」

「……あ?」


メンバーの一人が話しかけてきた。

割と下っ端だった気がする。



つーか、今日に限っていつもよく話してる奴らがいねぇ。

さらにイラつく。



「何か、ありましたか?」

「何が」

「ご機嫌がよろしくないように見えるんですけど……」



たぶんコイツは、メンバーを代表して俺に話しかけてきたんだろう。

運が悪かったな。

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