マンゴーにはなれそうもない
_____で、こうなった。


しかし、良く寝てる・・。
ちょっとヤリすぎたかもしれない。

以前の瑠璃は・・
鴉の濡れ羽色した長く艶やかな黒髪、
ジーンズの後姿がセクシーで・・。

その大人の女を抱けば優越感さえあった。

だが今日は何だか瑠璃の中のもう1人の
彼女を抱いてるみたいな気がした。

内に秘めていた少女性が実体化した様な
栗色の髪の、優しい姿の彼女と云うか・・。

新たな彼女を見て、触れて、感じた俺は
独占欲が前にも増して行くのを憶えていた。

"俺のものだ"と云わんばかりに
滑らかな白い肌に沢山の印しを残しながら
痙攣するのも構わずに攻めあげ続けた。

イク波が短い間隔で長く続くと震えて鳴き、
必死に俺にしがみ付く姿が堪らなくて。


「かわいい」


その度に締め付けられ蕩ける様な気持ちで
何度、瑠璃の耳元でそう云ったか解らない。

こんな彼女を・・
他の誰にも味わせたくない、
もう誰にも奪わせない・・。

ピピッ・・・!

その時
時間を報せる俺の腕時計の音がなった。

その小さな電子音に
彼女の体がピクリと動いたのだ。


「もう少し寝てろよ・・。」


俺は彼女の腕をそう云って撫で摩る。
彼女を甲斐に返す気はなかったから。


「今・・何時・・?」

「5時になったトコだ。」

「あ・・、
どうしよう・・あたし・・。」


瑠璃は寝声で髪を掻き揚げながら
シーツで胸を隠し、
ダルそうな体を起こそうとする。


「心配ないよ、俺が電話する。」

「ダメよ・・
自分でするから・・コウ・・、」

「え?」

「コ・・、紅茶、飲みたいナ。」


有無言わさず俺は
置いてあった彼女の携帯を手に取り、
彼女に頷いてから甲斐に電話を入れた。


ぷるるっぷるるっ♪

コールしてる間にガウンを羽織って
ベッドを降りると冷蔵庫の
ストレート・ティーを瑠璃に手渡した。

此処では彼女が心苦しいだろう、
俺は急いで部屋を移って行った。


『・・・瑠璃さん___?』

「いえ、俺、甲本です。」

『・・・お前。
掻っ攫ってラブホとはいい度胸だな。』

「な・・! 」








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