マンゴーにはなれそうもない
その二日後の事だったろうか。
夕方、三時頃に例の男が来た。


( ふっ・・来やがったわね。)


入って来た時のあの顔_____

陰でアンナ事云ってるとは
思えないほどスポーツ系爽やか笑顔で?

余計ムカつくってもんだ・・。

けれどあたしもオトナだし。
一応商売人ってことで営業スマイル。


「いらっしゃい」

「こんちは」


年下男の先輩・・ラガーマンタイプ、
彼より身長マイナス10cmって感じの
ゲイ語で言うところの"ガチ・ムチ"。

別の後輩を2人連れてカウンター前の
テーブル席へと座る。

オーダーはバイトが取りに行くので
あたしは中から声を掛けていた。

笑いながらその脳内では
ヤツの「八つ墓村」状態の
アブナイ"M男図"が出来てたりして。

やだ・・
コッチに近づいて来ないでよ。

アー、気持ちワルイ。
食欲減退のダイエットになりソ。

先輩とやらは、トイレに立つ途中
カウンター席に寄り掛かり
コソッとあたしに何か云いに来た。


「最近、アイツ来ないでしょ。」

「______ え? 」


フイにカップを暖めてる手が止まる。
アイツとは、年下男の事だろう。


「・・どのアイツ? 皆、
良く来てくれるんで解らないわ。」


なーんて、トボけておいた。


「あ・・そうなんだ・・。」


だと。・・さっさとトイレに行け!

意味あり気に云うだけ云っておいて
奥のトイレへと向かって行った。

男のゴツイ背中を見届けると
残った後輩2人が小声で言うのだ。


「アイツ今、入院中なんすよ。」

「は!?」


それ・・どういうこと・・!?

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