センチメンタル*ガール



そう。この間だって……



-----…



講義もバイトもない土曜日、彼の家に行くことに決めたあたしは



朝から少しでも「可愛い」って思ってもらうために



メイクをして、お気に入りのワンピースを着て



苦手なヘアアレンジだって頑張って行ったのに



まだ会社に入って間もない彼は毎日残業か仕事を家にを持ち帰っていて



会社のない今日だってずっとパソコンばかりみていて



「佑輔来たよ、仕事忙しいの?」



と声を掛けたって、あたしの方なんて見もせずに



「あぁ」ってパソコンに向かって答えるだけ。



「コーヒー淹れるね。ちょっと待ってて」



ここ最近一切相手をしてくれない佑輔に



あたしはいつもいつも泣きそうになる。



だから彼の前で泣いてしまわないように



バレないように



怒りに触れてしまわないように振る舞ってるんだ。





< 2 / 326 >

この作品をシェア

pagetop