短編集~甘い恋~
小馬鹿にしたように、鼻で笑う渋谷くん。
「つーか、家が道場なんだから、勝って当然だよなぁ?」
なんで、ここで道場の事が出てくるの…?
確かに、あたしは家でパパに鍛えられた。
だけど、それは決して甘いものではなく…
泣くくらいに、厳しいものだった。
あたしだって、努力はしてきた。
だけど、
それを、家が道場のおかげ、と言われるのが…
悔しかった。
再び、涙が溢れてきたとき、
「バッカじゃねぇの、お前」
歩があきれたように、言った。