消えた長刀鉾(A探偵団2)

宵宵山

○同、建て屋、外
   忍者が1人、カセットを入れる。
   コンチキチンの音が聞こえる。

   クレーンが動き山車の四方が垂れ幕で覆われる。
   垂れ幕は長刀鉾の原寸大の絵である。

   大型トレーラーが現れ長刀鉾の絵に包まれた山車を
   クレーンがトレーラーに引き揚げる。

   変面が現れる。一味が整列する。
   一味は50人ほど。黒と赤の忍者姿である。

変面「準備は整った!」
一味全員「オーッ!」
変面「レッツゴー!ヘンメーン!」
一味全員「ヘンメーン!」

   変面、白馬にまたがる。
   クレーン車とトレーラーが続く。
   忍者達が前後を綱で引っ張っている。

位置も全員「(ゆっくり)エッサーホイサーエッサーホイサー」

○山道、夕
   ゆっくりと山道を下る変面一味の姿。

○四条通、夕
   宵宵山の人波。
   長刀鉾。コンチキチンの音。
   夜店。浴衣の人々。

○同、室町通、夕
   すごい人波。たくさんの夜店。
   蟷螂鉾。

○同、長刀鉾前、夜
   すごい人波。
   出羽と亀山の姿が見える。
   長刀鉾。コンチキチンの音。

   山車の上で演奏している。
   長い引き手棒が固定されている。
   出羽、大車輪の脇で上を見上げながら、

出羽「この調子じゃどうやってこの長刀鉾を
 消すのかさっぱり分からん?」

亀山「そうですね。トンネルは掘れへんやろし。
 夜通し人は多いやろし」
出羽「そうやなあ?」
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