冬が、きた。
「わああっ、ごめんごめん」
私のため息を何かと勘違いしたのか、慎くんはぺこぺこと謝った。
……思わず、笑いがこぼれる。
「……雪音?ゆ、許してく……」
私は、慎くんの手をぎゅうっと握った。
「………慎くん」
「……ん?なあに?」
「…………寒いよう」
もごもごと言うと、慎くんはふふっと笑った。
「じゃあ、今日は暖かくして、一緒に寝よっか。……雪音は、寒がりさんだから」
「…………うん」
そして慎くんは、周りを見回して誰もいないのを確認すると、私の頬に優しくキスをした。
「ぎゅっ、ってしたら暖かいんだけど……サックスが邪魔だね」
慎くんはそう言って、私の頭を撫でた。
………本当は、寒くなんてない。
こんなに雪が降っていたって。
冷たい風が吹いていたって。
慎くんがいるだけで、暖かくなる。
………だけど、そんなこと、恥ずかしくて言えないから。
「……じゃあ、待ってるから、早く帰って来てね?」
「うん。待ってて」