空ノ向コウ

母のお見舞いの回数が、最初は週に一回程度だったのに
学校から帰ると毎日の様に行く様になった。


病院の近くの海で一緒に貝殻を拾ったり
一緒にテレビを見たり、
見舞いの品を食べさせてもらったり
今日あった事を報告したり

大好きな母といれる時間が幸せだった。
姉がいなくて寂しかったりもしたけどそれでも幸せだった。



帰り際にはいつも
「早くおうち帰ってきてね!」
なんて無邪気に笑って病室を後にした。


この頃からだろうか、父が病院に止まる回数が増えた。
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