キラリ
正確に楽譜を辿る事だけが目的なら、機械に演奏させれば良い。


しかし、機械が奏でる音楽に生命は宿らない。


人間が感情を込めて演奏する事で、音楽は生きるのだ。



その為には、まず弾き手自身が曲の世界に入り込み、楽譜上に指示の無い些細な部分の強弱や長短を、自分で考えて付けなければならない。


やり過ぎると、単にクセのある演奏でしかなくなってしまうし

足りないと平坦な曲に仕上がってしまう。


そんな

「クセと感性の境界」

を究める行為は、面白くも難しい、まさに弾き手の腕の見せ所なのだ。
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