キラリ
「弾いててすごく気持ち良かったです。

難しい分、弾けるようになったときは嬉しいし、何回練習しても奥が深いっていうか……
弾くごとに面白くなる曲ですね。

もっとショパンを極めたいです」


「そう。

ずいぶん堂々とした演奏だったものねぇ。


……千明さん、ショパンの曲は、他にも難しいものが沢山あるのは知ってるわね。

それで、あんまり難易度の高い曲は、先生の技術的にはちょっと教えられないの」


先生はそう言って、カラー印刷の薄い冊子を一部、私の前に差し出した。


それは隣町にあるピアノ教室のパンフレットだった。
< 64 / 169 >

この作品をシェア

pagetop