キラリ
「うちの教室は、小さい子の習い事とか、趣味でピアノを弾きたい人を主に対象にしてるけど、
そこのピアノ教室……千明さんも知ってるかな?

プロを目指す人とか音大を受験する人も通ってて、うちよりもレッスン内容は高度だし、プロの演奏家さんとの繋がりも強いの」


「はぁ……プロ」


「千明さんは、高校卒業したらどうするのか、もう決めてる?」


「うーん。

進学、するかなぁ……とは考えてますけど。

まだ、具体的には」


「良かったら是非、音楽の道に進む事も視野に入れてみて。

もちろんお金も掛かるし、無理にとは言わないけど
先生個人的には、千明さんの技術とかセンスは、このままにしておくには勿体無いと思う。

もっと練習すればまだまだ成長するはずだし、ショパン以外の曲にも、どんどん挑戦してもらいたい。


隣町の教室だから、電車で通う事になると思うけど、一度ご両親ともお話ししてみて、ね。

月謝額とか詳しい事は、パンフレットに書いてあるから。

それで、もし行ってみたいんであれば、先生の方から紹介しますね」



……すごい。


音大とかプロとか考えた事も無かったけど、私にもその可能性があるのだろうか。
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