キラリ
翔太だ。



あとで別れ話をする予定なので、今は会いたくない。


幸い、こちらに背を向けている上に誰かと話をしていて、私には気付いていないようだ。



しょうがないから生徒玄関まではまわり道して行こうと、こっそり踵を返した私の耳に

翔太の声が飛び込んで来た。



「今日はこれから何か予定あるの?」



思わず足を止めた。


もちろん、私に言ったのではない。



――誰と喋ってるんだろう。
< 89 / 169 >

この作品をシェア

pagetop