キラリ
クリスマスの朝にも「風邪 大丈夫?」というメールが届いたけど

「まだ熱が下がらない」と返したきり、会話は途絶えている。



日中は部活があるとしても、夕方から、翔太はどうするんだろう。


千明にも会わないとなると……。


私とも千明とも違う女の子と遊んだり、するつもりだろうか。


……いや、それはあり得ないはず。



翔太はああ見えて、本当は浮気するタイプではない。


彼女がいるのに好きな人が出来たら、ちゃんと彼女と別れてから次へ行く。


だから終業式の日は、千明を口説こうとしていた事にはもちろん驚いたけど

それ以上に、翔太が自分の彼女に隠れて他の女子に手を出していた事が、私には信じられなかった。




鬱々とした気分のまま、夜が更けていった。


こんなに暗いクリスマスは初めてだ。
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