放送部からお伝えします
「でも確実に留年する可能性が高いわ。そんな生徒を高等部に行かせられるわけないでしょう。だいたい、いい加減な……」


「いい加減じゃねーよ! 前から行きたかったんだよ! ちゃんと親にも話したぞ!!」


机を叩きながら立ち上がって反論を始める。


「あら納得されたの? 不思議だわ……」


「何気に人の親ブジョクしてんじゃねぇよ! 仮にも教師だろ!!」


柴崎先生の言葉を聞いて、かなめはさらに声を荒くなる。


「侮辱なんて……。私はただ、私ならあなたに合ったレベルの低い高校をお勧めするってだけよ」


「オススメなんていらねーよ! とにかく俺は高等部行って、留年なんてゼッテェしねぇ!!」



********************


真剣に教科書を見るかなめは、昔と違ってたくましく見えた。



それを見てたあたしは、何もできてない。

逆に今きっと、迷惑かけてる。


十分過ぎるぐらい一人を感じていたあたしは、静かに目を閉じた。










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