放送部からお伝えします
わかってはいたけど、会話がない。

昔のあたし達に戻れたと思うけど、こうも静かだと困惑してしまう。

すると草太が口を開いた。


「あの、話って何なんですか……?」


草太は遠慮がちにママに聞く。


本当は、あたし達知ってる。


竜也のことだって……。



でも、少しでも、違うって希望が欲しかった。


「さぁ……何なんだろうね?」


ママはそう答えた。

表情はどうしてるか分からない。

ただ声は、いつものママだった。




バタンッ



ドアを閉め、目の前にある大きな病院を見つめた。

あたし達はキョロキョロしながら、ママの後をついていく。

病院に入ると、ママは看護婦さんと何か話している。

またママについて行き……病室に着いた。

白い表札にマジックで懐かしい名前が書いてある。



金堂竜也



あ、竜也の部屋だ。


そう思いながら表札を見つめていると、後ろから川岸さんが来た。

ママと川岸さんが軽くお辞儀をする。









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