放送部からお伝えします
「……」


川岸さんはキィと音を立てて、放送部室のドアを閉めた。



………………


―ザーザー―



沈黙が続く。

聞こえてくるのは雨の音だけ。





ガタンッ



それを破ったのは草太だった。


草太は無表情のまま、イスと転んでいる。

そのまま腕でおもむろに顔を隠す。


「思い出したく、ないんだよ……」


今にも消えてしまいそうな、か細く震えた声。

少し後から、かなめが鼻をすするような音を立てた。

イスに座ったまま、丸くなって膝を抱えているかなめ。



まだ、窓の前に立っているあたし。


手は冷たい涙の水滴で、溢れていた。








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