放送部からお伝えします
ペラッ



小説から何か薄いものが落ちた。

俺はひざをついてまた拾う。



「……これ、しおりか?」


黒い紙に白いねこがいる。


「……こんなん、はさまってたっけ」


そうつぶやきながら、小説をめくりはじめる。


たしかここまで読んだ。


俺はそのしおりを小説にはさもうとした。




「ニャーーーン」


ビクッ


急に聞こえた声に肩を震わせ、恐る恐る横を見る。



「ねこか……」



暗い道に黒いねこ。

不きみに思いながら、またまた落ちたしおりを拾う。


「……これ」


見たことある、このしおり。


……ていうか持ってる。

実は、まだカバンの中に入ってる。

白い紙の真ん中に、青いねこがいるしおり。

竜也からの誕生日プレゼント。

4人とも色ちがいで持ってる。

同じ白い紙に、梨衣子がピンク、草太が黒、俺が青で、竜也が緑のねこのやつ。


……まじで懐かしい。


いっきに竜也のことを思い出す。








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