言いなりデイズ


あたしは出そうになる涙を抑えるため、黙々と手を動かした。


「なぁ。」


ーービクッ


今、愁の方を向けない。


きっと涙目だから。


あたしは目を伏せたまま、返事をした。



「どうしたの?」


すると愁はいつもの口調で言った。


「絆創膏ってどこにあるっけ?」

「…えっ⁉」


どこにあるって…。


もしかして、わからないの⁉


自分の家なのに?


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