FlowerRose



「…何やってんの?…って、何これ!?オレなんかした!?」



パッチリ目を開けて、不思議そうに医療機器を触りまくるカイ



「…っ…良かったぁ…!」

「英子?何泣いてんの?」



まるで、どっちが病人なのか分からない状況―



「英子…あれマジ?」

「え?」



カイが少し頬を赤らめてあたしの顔を覗き込む





あたしはもう、驚きをすでに通り越していた





「…だから…その…ピー(←ご自由にご想像下さい)させてくれるって…」





……………は?





「いや、だって英子が言ったんじゃねぇかよ!ピーして、ピーやって、更にはピーしてもいいよ、って!」





―あたしの思考回路は一瞬停止―





「…ッこのエロ男ぉ〜〜〜〜〜ッッ!!!」

「う、わぁーーーッ!!」

「キャーーッ!酸素マスクがぁーーッ!!」



―ピーーッ………










―――――――――――――



「…本当に、病人とは思えないような事言ってたよね…」

「…もう言うな…」



恥ずかしそうに顔を隠し、カイはあたしとは反対の方を向いた



「…でも、オレ、英子が酸素マスク取った時、死ぬかと思った…」

「だっ、だから、あれはゴメンってばぁ〜〜!」



あたしとカイはそのまま、昔話に花を咲かせた

< 107 / 118 >

この作品をシェア

pagetop