FlowerRose
「おかえりー、英子」
「ただいま…」
あたしはカバンをソファに投げて、テレビの電源を入れた
〔香乃子さん…好きだ〕
〔泰秀さん…私も…〕
〔ああ、香乃子さん…〕
ドサッ
二人はベッドに倒れ込んで愛撫を繰り返している
〔…あ あん…ああ…〕
〔香乃子さん…綺麗だよ…〕
〔…あっ あはあぁぁんっ!!〕
ブチッ
「…はあ…はあ…」
「どうしたのー?テレビ消しちゃったのぉー?」
台所からお母さんの呑気な声が聞こえてくる
「宿題してくる!!」
あたしはカバンを持って部屋へと向かった
バタン!!
勢いよくドアを閉めると
あたしはドアに寄り掛かった
「…思い出しちゃったじゃんか…」
ズルズルとしゃがみ込む
「…あたし…カイとあんな事してたんだ…」
『カイッ!!…あぁ…んんっ!!…もぉ…ヤメ…
あっ!…はあぁんっ!!』
「ち、違う違う!!そんなんじゃない!!ってか、なんであんな事思い出してんのよ あたし!!」
カイ…
あの優しい笑顔…
キラキラの瞳…
濡れた唇…
程よく筋肉がついてて、程よく焼けた小麦色の肌…
あの体で…あたしの体を
…
「だからちがーーーう!!あたし何考えてのよーーー!!!」
……頭に浮かんでくるのはカイの事ばかり……
カイに愛された事ばかりが頭を駆け巡る
もう一度…
カイに抱かれたい…
この気持ち…
もう隠せない…
あたし…
カイが好きだ…
好きなんだ…