お腹が空きました。
ベリーの味がする。
舌を絡まらせながら紗耶はひたすら杉崎に翻弄された。
杉崎の首に両腕を絡め、まるでご褒美を貰うように極上のキスが落ちてくる。
爪の先まで痺れるキス。
知らなかった。
彼はこんなキスをするのか。
知らなかった。
体の体温。
伝わってくる重み。
肌の香り。
乱れた息遣い。
知ってるようで知らなかった。
杉崎さんの事。
「紗耶…。」
耳元で名前を囁かれる。
始めて知った。
彼はこんな風に名前を呼ぶのか。
もっと、
もっと、知りたい。
杉崎さんの事。
もっと知って欲しい。
自分の事。
「杉崎さ…っ」
彼の唇が耳に移動する。
甘噛みされた所からぶわっと全身に電気が走った。
「っ、…っ」
う、わ、、
ススッと唇が首筋を移動する。
う、わ、わ、わ、わ、、っ
全身にかける雷が断続的にやってきてもうそれだけでおかしくなりそうだった。
「す、杉さ…っ、」
ぐうううううう…っ
「…。」
「……っ、ぶはっはっ!お前マジかよ。っ、」
散々笑い倒した後、横たわったままの紗耶の腕を引き、杉崎は目尻の涙を拭いながら紗耶を抱きとめた。