お腹が空きました。
「ほんとのほんとうに…?」
「だからそういってるだろ!なんだよ、笑いたきゃ笑えよ!」
やけを起こしたように吠える杉崎を紗耶は尊敬の眼差しで仰ぐように見つめた。
「すごい…っ!」
「ああ?」
「すごい…っ!すごいです!売ってるケーキより美味しいです!びっくりです!」
「お、おう…。」
「あの杉崎さんが作っただなんて信じられない…っ!」
「お前、本人を目の前にして良く言えたな。」
ディスクにひじを乗せた呆れ顔の狼に、紗耶は知っている限りの賛辞を並べ続けた。