お腹が空きました。







「あ、」


ふと何かを思い出したように杉崎は席をたった。


何事かと思って紗耶もひょこっと杉崎が消えていったキッチンに目をやる。

「お前…、」

「あ、はい。」



冷蔵庫を開けながら杉崎はチラリと紗耶を見た。





「イチゴと生クリームは、好きか?」


「大好きです!」

即答しながらぴょんと紗耶は飛び出す。


キラキラした瞳で杉崎(の、隣の冷蔵庫)に視線を注いだ。



なんですかなんですかなんですか



杉崎はニヒルに口元を歪めながらスイッと腕をしならせて大きめの皿を取り出した。


「−…ここに、既に出来上がったスポンジがある。」


ゴクリ…


紗耶は生つばを飲み込んだ。


「そして…」


パタンと音を鳴らせつつ、杉崎は次にみずみずしいイチゴのパックを取り出し、またチラリと紗耶を見つめた。


「イチゴ。次に生クリームとくれば?」


「ショートケーーキーー!!」


わーい!と仮にも上司の前でハイテンションに紗耶は小さくガッツポーズ。


そんな様子を見て杉崎は下を向いてクスリとこっそり笑った。




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