お腹が空きました。
Yシャツの袖を杉崎がめくる。
グイッとあらわになった筋肉質な腕でイチゴを洗い、慣れた手つきでストンとまな板を取り出した。
ヘタを取ったイチゴを良く磨かれた包丁で綺麗にスライスしていく。
断面が輝いているキラキラしたイチゴが均等にお皿へと並べられた。
「形がよりきれいなものはそのまま残す。スライスとまるまる、だいたい半々だな。」
スタタタタタタタタ、カンッと、目のみはる速さでイチゴを切り終えた杉崎は、氷水を張ったボールに更にボールを乗せ冷蔵庫から生クリームを取り出した。
「今日はイチゴが甘いから、クリームは甘さ控えめでいいか?」
「お、おまかせします。え、ていうか、手でいっちゃうんですか?」
見事な包丁さばきに圧倒されていた紗耶は、うわずりながらもハンドミキサーではなく手動の泡立て器を握る杉崎に驚いた。
「あ?あぁ、まぁ、夜だし、音うるさいからな、あれ。」
この人ご近所に気を使っている…っ!
ワイルドな見た目に反して泡立て器がさまになっている狼さんに、紗耶は改めて驚愕した。