お腹が空きました。
「次、スポンジ。」
「はいっ!」
杉崎は仕上がったボールを置き、スポンジの周りの紙型をビリビリ破き始めた。
「…あの、これいつ焼いたんですか?」
「んあ?あー、朝。」
「朝?!」
「悪いか。」
いえいえめっそうもっ!と言いながら紗耶は首を振った。
「…こう、時たま無性に作りたくなるんだよ。衝動的というかだな。そう言うときは勝手に早く目が覚める。」
そう言いながら杉崎はスポンジをスパンスパンと3段に分けた。
「ここに、俺特製シロップを染み込ませる。」
「俺特製…。」
「何笑ってんだテメー。」
クスクス笑う紗耶をたしなめながら、慣れた手つきでハケを使い、杉崎は次に生クリームを平べったい道具にフワリとすくった。
「、ぅわーーー…っ」
しゅるしゅると音が聞こえそうなぐらい綺麗に伸びていく生クリームに感動すら覚える。
「神業ってこういうこというんですねー…」
「阿呆。普通だ。」
眉間にシワを寄せながら杉崎がイチゴに手を伸ばす。