お腹が空きました。
ものさしで計ったんじゃないかというぐらい綺麗にイチゴが生クリームの上に並べられてゆく。
「俺はフルーツはたっぷり入れるのが好きだ。」
赤い薔薇が咲いたようにスライスされたイチゴが並び、更に新しいスポンジを重ねる。
まるで魔法でもみているように紗耶は目をキラキラさせた。
芸術作品のようにスポンジ全体に生クリームを伸ばし、残ったクリームを飾り用に絞る。
「杉崎さん、左官屋さんでも仕事出来ますよ。私が保証します。」
「ああ、」
「辞めるときはいって下さい。」
「…お前俺に辞めて欲しいのか?…、ほら出来たぞ。」
紗耶が軽口を叩いている間に、ケーキの上にはびっしり宝石のような赤いイチゴが並べられ、ただただその存在感を主張していた。