お腹が空きました。
「ぅわーーーーー。…スッゴい綺麗。プロ…。」
惚けてケーキの前から離れようとしない紗耶をバックに、杉崎はカチャカチャと食器の準備を始めだした。
「言っとくけどなぁ、俺資格とかなんも持ってないからな。実家がケーキ屋ってだけで、俺自身はド素人もいいとこ。だから味は期待しすぎんな。」
◆
……なんて言ってましたが、
「美味しいーーーーっ!」
紗耶はフォーク片手に天井に向かって吠えた。
何コレ幸せ過ぎる。
「一家に一台杉崎さんの腕が欲しいです。」
「冷静に考えろ。それ結構ホラーだぞ。」
スポンジほわっほわのしっとり。
イチゴの芳醇で甘酸っぱい風味。
濃厚なのに口の中で消えてしまうような後味の、クリーミーな爽やかさ。
「ンンンンーーーッ!」
最高に幸せそうな顔をしてハシャぐ紗耶を見ながら、杉崎は湯気が立ち上るカップをゆっくり傾けた。
「…ところで室内。」