お腹が空きました。


「ぅわーーーーー。…スッゴい綺麗。プロ…。」


惚けてケーキの前から離れようとしない紗耶をバックに、杉崎はカチャカチャと食器の準備を始めだした。


「言っとくけどなぁ、俺資格とかなんも持ってないからな。実家がケーキ屋ってだけで、俺自身はド素人もいいとこ。だから味は期待しすぎんな。」







……なんて言ってましたが、



「美味しいーーーーっ!」


紗耶はフォーク片手に天井に向かって吠えた。


何コレ幸せ過ぎる。


「一家に一台杉崎さんの腕が欲しいです。」


「冷静に考えろ。それ結構ホラーだぞ。」



スポンジほわっほわのしっとり。

イチゴの芳醇で甘酸っぱい風味。

濃厚なのに口の中で消えてしまうような後味の、クリーミーな爽やかさ。


「ンンンンーーーッ!」


最高に幸せそうな顔をしてハシャぐ紗耶を見ながら、杉崎は湯気が立ち上るカップをゆっくり傾けた。


「…ところで室内。」









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