お腹が空きました。








ぐるぐるきゅー。



ぐるぐるきゅーー。




「信じらんねぇ…お前本当に女か?」


部屋で買い物袋をガサガサ漁りながら杉崎は紗耶を見つめる。


眉間のシワがハンパない。

いわゆるこれが軽蔑の眼差しというものか。

紗耶は若干ショックを受けながらも対面キッチンの机に両手を添え申し訳なさそうにぶつぶつ喋った。


「お、女でも、お腹が鳴るときは鳴るんですよ…。夕ご飯まだだし…。」


夕ご飯…。


紗耶は自分のセリフに更に凹んだ。

夕ご飯、そういえばまだだった…。

ひもじい…。


最後に食べたのなんだっけ?


フリスク?





ぐるぐるきゅーー。



そんな事を考えていたら更に腹の虫が鳴いた。


「だーー!ウルサい!せめて止める努力をしろ!努力を!」


「え、止めれるもんなんですか?」


「こう、腹筋をだな、全体的に力を入れて…」


杉崎の腹筋講座を聞きながら、紗耶は買い物袋の中身をチラリと盗み見た。




生クリーム

牛乳

砂糖

水飴

はちみつ

バター

バニラエッセンス





「(…いったい何をつくるんだろう…。)」







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