お腹が空きました。

「……お前全然話聞いてねぇだろう。」


ずごごごごごご…と、地鳴りがしそうな威圧感で杉崎が紗耶をたしなめる。

ひょえー…っっ！と、なりながらも紗耶は、聞いてましたっ聞いてましたとも！と手をバタバタさせた。



「ふんっ、まあいい。仕方ねえから夕飯を先に作ってやる。」


「え、ええ？！杉崎さん、ご飯も普通に作れるんですか？！」


キッチンに前のめりになりながら紗耶が思いっきり食いついた。


この人天才か？


「ち、ちけぇよ…！ウルせぇなぁずっと一人暮らしなんだからそれぐらい普通にするわ馬鹿。」



杉崎があんまり慌てるので紗耶は、え、実はそんなに美味しくないとか？と、思案していたのだが…





…







「…なんだ全然美味しいー！」



「なんだってなんだ、おい。」


フビッと、鼻を摘まれ妙な鳴き声を出しながら紗耶は杉崎の手を振り払う。


「やめてくださいよー鼻が高くなっちゃう。」


「ほう、それは良かったな。整形代でも請求してやろうか。」