恋……スル?-菅野 聡 編-
「お前を拾って、こうしてずっと俺の側で鍛えた甲斐はあった。
これからは、俺の右腕として引き続き頑張ってほしい」



「専務…
ありがとうございます」



毎日毎日、仕事に生きてる人生だった。

もちろん決して嫌いじゃない、むしろ好きでやってる仕事だけどね。

そしてそれを認められるって、スゴく嬉しい事。


ましてや、職場の上司に…




「お前の事は、ずっと手のかかる部下として見てきた。
でも最近は、ちょっと違うな」



「……専務…?」



朝の、まだ来客もロクにない店内に私と専務の2人。

オフィスの方は仕切りのドアを閉めているので、向こう側のスタッフの声は聞こえてこない。

もちろんこちら側の声も、向こうには聞こえないだろう。


こんな事は、普段仕事中でもある状況なんだけど。

でもなぜか、今はいつもと違う空気を感じた。
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