恋……スル?-菅野 聡 編-
「――――なので、だからこそ大沢さんには敢えて、大沢さんをもっと引き立てるようなこういうシンプルなデザインを提供しました」



「……………………っ」



もちろん、考え方や見え方は人それぞれ。

私はそう思って気持ちを込めてデザインしたし、これを見た専務も私の話を聞いて理解してくれた。


だけど、それを受け入れるかどうかは大沢さん自身の問題だ。

もし不服を申し立てられたら、それは頭を下げて作り直すしかない………





「…そんなに僕の事を理解してくれていたとはね」



「大沢…さん…?」



それでもまだ怒鳴られるかなと、一応覚悟はした。

だけど大沢さんの言い方は、さっきの勢いはなくなっていて、すっかり落ち着いた物腰になっていた。



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